ベネズエラのハイパーインフレと国家ICOトークン「petro」<寄稿記事>

さむ~い冬は、部屋でこたつに入ることに最大の幸福を感じるぶらっくプリン(@Black___Pudding)です。こんにちは。今日はWSJから、巷で話題となったベネズエラ発行の仮想通貨「petro」について、考えてみます。

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2018/02/06 紙面より

How Fast Are Prices Skyrocketing in Venezuela? See Exhibit A: the Egg

With hyperinflation at 13,000%, eggs become essential to bartering

https://www.wsj.com/articles/how-fast-are-prices-skyrocketing-in-venezuela-see-exhibit-a-the-egg-1517832001?mod=searchresults&page=1&pos=17

過去の記事『発展途上国におけるビットコイン実需の可能性』とも関連しますが、ハイパーインフレ進行中のベネズエラで、政府が自国で算出する原油を担保とした仮想通貨(トークン)の発行を計画しています。

 

ベネズエラ経済破綻の経緯

そもそも、ベネズエラの経済が破綻に至った理由を簡単に列記すると

・ベネズエラ前大統領のウゴ・チャベスが徹底した社会主義を進め、欧米(とくにアメリカ)への批判を繰り返しており、折り合いが悪かった

・原油価格が高騰しており、石油の輸出先も確保できていたころは国家が潤っていた

・国の産業はほぼ石油のみで、あらゆる物を輸入に頼っていた

・社会主義なだけに、生活の必需品の価格も国家予算を使って抑えられていた

 

チャベス氏の死後

・元々欧米との折り合いが悪い中、経済制裁が強まった

・原油価格も下がり、国家としての資産が大幅に減少&制裁により輸出も困難に

・経済状態が悪くなるにつれ、外資系の石油関連会社を国有化するなど無茶をし出して、他国からの信用低下を招く

・さらに国債のデフォルトまで発生し、国家としての信用を失う

・結果として外貨を調達できない事態に

 

上記のようないきさつがあり、素人目にはどうしようもない状況になっています。

 

ベネズエラのインフレ率

ちなみに、ベネズエラでどれ位インフレが進行しているかというと、昨年一年でのインフレ率13,000%。実質的な通貨価値が98%減少するというとんでもないインフレ状況です。つい先日も中央銀行が自国通貨の対外貨での公式為替レートを99%下げるアナウンスを発したということですし、紙幣を印刷するプリンター代も調達できない程のカオスっぷりとの事で、経済が完全に破綻しています。

 

過去を遡ってみると、このベネズエラでさえworst 57位とのことで、worstインフレ国家記録*を覗いてみると可愛いものに見えてきます。近年では2007年のジンバブエが記憶に新しいですね。

*Wikipediaより引用  https://upload.wikimedia.org/wikipedia/en/8/88/The_Hanke_Krus_Hyperinflation_Table.pdf

 

こんな経済状況になったら、国民の消費活動はどうなるのか?

  1. 物々交換が横行する
  2. 対価として外貨で受け取る
  3. 配給制に移行し生活必需品の流通を統制する

これらが一般的です。

 

しかしベネズエラは、ここで奇策を打ちます。

・Ethereumベースの国家発行トークン『petro cryptcurrency』を世界で初めて流通させる

・この仮想通貨の信用裏付けとして、50億バレルの原油×市場価格分の資産を担保する

 

参考

ベネズエラ、国家ICOのホワイトペーパーを公表BTCN

 

4月の大統領選挙での再選を目論見て2/20にこの仮想通貨を発行開始(ICO)するとのことですが、皆さんはこんな国の仮想通貨に魅力を感じますか?草コインよりきな臭い…

 

トランプ政権は、この通貨発行によって、現在施工されている経済制裁が骨抜きになることを危惧しており、より強力な規制を打ち出すことが容易に想像できます。

ただでさえ仮想通貨市場環境が悪い中、これが引き金となってEthereumを初めとする基軸仮想通貨がとばっちりを受けないことを祈ります。

蛇足ですが、戦後の日本もあり得ないレベルのインフレを経験しています。

外貨とともに、仮想通貨もいつの日かインフレを避けるための資産として幅広く受け入れられるといいですね。

旧・ほんとうがいちばんより抜粋

http://mizu888.at.webry.info/201409/article_69.html

 

詳しくは、東京大学大学院経済学研究科 伊藤正直 教授の論文にも掲載されています↓

https://www.imes.boj.or.jp/research/papers/japanese/kk31-1-7.pdf

 

それではまた。

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