実に日本らしい、不条理で合理的なソリューションが発表されました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191212/k10012213131000.html
ロボットが自動で書類に押印するシステムを国内のメーカーが協力して開発しました。(中略)2本のロボットアームで器用に書類をめくり、スキャンした画像から押印欄を自動で識別したあと取り出した印鑑に朱肉をつけて判を正確に押します。
(中略)
ただ、ロボットが肩代わりするのは判を押す作業だけで、契約書の内容が適切か判断するのはあくまで人が行うことが前提です。
最初、あまりのバカバカしさに卒倒しそうになったけど、「いや、これはこれでアリなんじゃ」と思い直してます。
このロボット、なんか凄いネタにされてるけど、ソフトもハードもワークフローがガチガチに固まってて人手不足の職場って結構あるもの。そういう所には合理的な解だと思ったよ。ワークフローを丸っと変える方がコスト高い場合もある。
ロボットが契約書をめくって自動で押印 https://t.co/YxLBXQ0CfZ
— くりぷと@₿lockchain (@_CryptoBlogger) December 11, 2019
そりゃさ、セキュアでない印鑑を決裁に使うって文化は非合理的なんだけど、そのルールを変えられない職場は沢山あるだろう。役所そのものだったり、役所に提出する書類を作る必要がある職場だったり。
そういうところは大抵、数十年以上に渡って築き上げられてきたワークフロー(事務手続き)があって、簡単には印鑑決裁の仕組みから抜けられないのだ。所定の形式の書類とかもあって、職位毎に捺印する欄も指定されている。部門毎に書類が回っていく順番なんかも決まっていたりする。こういう組織は印鑑文化というルール自体を変えられるわけでもないし、今までにワークフローを築いたり効率化するために、多大なコストを払って来ている(埋没コスト)。
さらにもしも、これを変える、例えば印鑑決裁を辞めるとなると、新しいシステムや運用を入れる金銭的な費用は勿論、今のワークフローに関わっている多くの人達を説得する必要がある(取引コスト)。
めんどくさいじゃん。変えるのって。
わざわざ多大なコストを払って、印鑑決裁を辞めることを推進する合理的な理由が無いのです。
でもこのロボット入れれば、ワークフローをほぼ変える事なく、今まで印鑑押していた人の仕事を機械化/自動化できるわけでしょ。あくまで押印の判断は人間がやるという事なので、決裁が降りた後の書類に、このロボットがひたすら判子を無心に押し続けるのでしょうね。
だから不条理だけど、合理的なソリューションだ、と思いました。
非合理的なのでは無いのです。
それにしてもシュールだね。
参考資料:
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