くりぷと(@_CryptoBlogger)です。
今までお世話になったオススメ仮想通貨図書、後編3冊のご紹介です。「ビットコイン・仮想通貨を理解するためのオススメ図書(初心者向け)前編 」の続編記事です。
ビットコインは気になるけど、下記のように感じている方向けの書籍です。
- 仕組みがよく分からない、なんだか怪しい
- 概要や歴史を俯瞰的に理解したい
- ついでにスマートコントラクトについても概要を知りたい
目次
ブロックチェーン革命–分散自律型社会の出現 Kindle版
野口悠紀雄 (著)
2014年に「仮想通貨革命」という仮想通貨関連の書籍を出版された野口氏による書籍。前半は主にブロックチェーンの概要や社会に及ぼすインパクトについて解説されています。ブロッックチェーンは「人や 組織を信頼しなくても安心して取引ができる trustless system」であるとし、その革新性を評価されています。
この本のキモは後半の分散型自立組織DAOについての概要説明です。ビジネスマンの方であれば、「スマートコントラクト」や「管理者不在の組織形態であるDAO」について耳にされた事もあるのではないでしょうか?本書ではその概要を学ぶ事が出来ます。また当時、仮想通貨界隈を賑わした、イーサリウムのハードフォークのきっかけとなった、The Dao事件についても触れられています。
デジタル・ゴールド--ビットコイン、その知られざる物語 Kindle版
ナサニエル・ポッパー (著), 土方奈美 (翻訳)
当ブログでも度々紹介して来た本書は、恐らく数年後、数十年後に貴重な歴史資産になる可能性を秘めていると思います。実在の関係者の証言を元に、ビットコインの誕生時からの出来事を丁寧に記述しています。キーパーソンであるサトシナカモト、ロジャーバー氏、カルプレス氏、マケーレブ氏等、錚々たる面子が勢ぞろいしています。ロジャーバー氏は、BU派の筆頭として、今ではかなり悪者扱いされていますが、自腹を切ってリスクを取り、ビットコインの普及に相当尽力されていた事が、克明に記されています。同氏がマウントゴックスの業務を手伝っていたりとか、中々に面白い話が読めます。またリップル(XRP)の開発は、マウントゴックスを創業したマケーレブ氏の主導で行われた、とかの小話も満載です。この本を読んで歴史を知っていないと、界隈では「モグリ」と言われても仕方がないかもしれません。(多分、そんな事はありませんw)
関連記事:ビットコイン分裂劇場:Segwit2xのBIP-91シグナリング開始 – くりぷと戦記 -主に仮想通貨の話-
サピエンス全史 上下合本版 文明の構造と人類の幸福 Kindle版
ユヴァル・ノア・ハラリ (著), 柴田裕之 (翻訳)
最後のオススメ本はこちら。ベストセラーになりましたね。
なんでこれ?と思う方もいるかもしれません。
「そもそもお金(貨幣)ってなんだっけ?」という根本的な問いへの答えを理解するのに役に立ったので、掲載させていただきました。
私たち現生人類が世界最強の種族である理由の1つとして、本書の筆者は「認知的能力」の獲得をあげています。虚構を生み出し、それを信じる能力です。これにより多くの人々が時間と場所の制約を乗り越えてコラボレーションする事で、種族間の競争に打ち勝って来たとしています。そして競争に打ち勝つ武器の1つとして、本書では「貨幣」を上げています。貨幣の本質を捉えた一文をご紹介します。
なぜ私はタカラガイの貝殻や金貨やドル紙幣を信頼するのか?なぜなら、隣人たちがみな、それを信頼しているから。そして、隣人たちが信頼しているのは、私がそれを信頼しているからだ。
私たちが円やドル、ビットコインを貨幣として信頼している理由は、まさしく他人が同じように信頼している、と信じているからに他なりません。この事を、本書では詳らかに解説しています。貨幣の登場当初は、大麦などの本質的な価値(大麦は食べる事が出来る)を有するものが「貨幣」として使われていた事、そして人類の発展と同時に、このような価値が切り離され、「マネー」が成立して行く事、などの歴史が記されています。全部を読むのはかなりしんどいですが、オススメの本として上げさせていただきました。
以上、オススメ本紹介コーナー後編でした。
関連記事はこちら>>>「ビットコイン・仮想通貨を理解するためのオススメ図書(初心者向け)前編 」